こんにちは、美容ブロガー&ライターの頼 凜々華です。
今日は、私が化粧を始めた15歳から約20年で、化粧品を取り巻く環境やトレンドがどう変わったか考えてみたいと思います。
資生堂の創業150周年特集と、美的の創刊13周年記念記事にインスパイアされました。
1990年代後半のコスメ
私が思春期に差し掛かり、「ビジュアル系」の台頭によってコスメに興味を持ちだしたのがこの頃。
資生堂がティーン~20代向けにプチプラコスメ「ヌーヴ」を発売したのも丁度この頃です。小さい瓶に入ったコロンや、クレヨン型のカラーコスメが思い出深いです。
当時はドラッグストアに今のようなプチプラコスメが大量に流通してたわけではなく、安価なコスメが欲しいなら、キャンメイクかヌーヴか。といった様相でした。
コスメに関する情報源は「セブンティーン」や「プチセブン」のようなティーン誌で、モデルの愛用品として紹介された商品がどうしても欲しくて、繁華街に繰り出してはお小遣いやお年玉で、少しずつ集めたものでした。
ちょっと背伸びしてでも欲しかったコスメは資生堂のピエヌ。
「メイク魂に火をつけろ」のコピーとTVCMが鮮烈な印象で、今でもこの時代をとても懐かしく思います。
今思えば、この頃のメイクやイメージビジュアルが、一番モードでお洒落だったような気がします。
2000年代前半のコスメ
2000年代になると、携帯電話が普及し、ドコモのiモードなど、インターネットに類似した通信サービスが普及しました。
今では国内No.1コスメサイトとして不動の地位を誇る「アットコスメ」が大躍進したのもこの頃。
携帯電話からサイトにアクセスし、毎日追加されていくメンバーたちの口コミを目を皿のようにしてチェックしては買い物の参考にしていました。
この頃は、アルバイトができるようになったのもあり、毎月ほぼ100%のバイト代をコスメに注いでいました。
資生堂系列の「FSP」(フリーソウルピカデリー)の一風変わったパッケージや「エテュセ」「ワトゥサ」「シンシアローリー」などお洒落な外観のコスメたちに惹かれ、たくさんのコスメを買いあさっていました。
中でも、カネボウ系列の「CHIC CHOC」(シックショック)には大いにハマり、珍しいツインタイプのカラーマスカラやビビッドカラーのコスメなど、いまでも通用しそうなデザインやブランド設計のコスメに心躍らせていました。
この頃のメイクの参考は、雑誌の読者モデル。
普通のモデルよりも親しみやすく、手の届きそうな彼女たちが明かすポーチの中身には興味津々で、読モ特集を隅から隅まで熟読していました。
この頃のトレンドは、マスカラをひじきか虫の脚かというくらいゴテゴテに塗ったメジカラメイク。
マスカラも安価なものから高価なものまで百花繚乱で、流行っていたエレガンスのロングラッシュマスカラでデパコスデビューしたことが懐かしいです。
2000年代後半のコスメ
2000年代後半には、大学を卒業し、念願だった化粧品メーカーに就職しました。
描いていた希望の通り、広告を作成する部署に配属となり、広告作りに大いにいそしみました。
これまで受け手だった私が、発信者側となり、コスメの魅力や、スキンケアの大切さ、メイクの楽しさを広告紙面で伝えられるのは本当に楽しく、やりがいがありました。
この頃のメイクのトレンドも、引き続きメジカラに重きを置いた目元協調メイク。
私のいたブランドは、メイク品があまり強くなかったので、そこまでメイクアイテムを大いに売り出すことはなかったのですが、
やはり、口紅の新色や新商品が発売されたときは華やかな色とりどりの口紅を並べた紙面にすることが多く、いつの時代になっても、口紅の広告は心躍るものだと感じていました。
メイクのお手本は、引き続き雑誌の読者モデルが主流。
各誌がこぞって読者モデル特集を組み、中には3人組や、多人数でのアイドルチームのように売り出す雑誌も現れました。
私がこの頃個人的にハマっていたのは各ブランドが冬に発売するクリスマスコフレ。
化粧品メーカーに入って化粧品漬けの毎日を送っていても、コフレの購入だけはやめられず、毎年ボーナスをつぎ込んで楽しみにしていました。
2010年代前半のメイク
2010年代前半のメイクのトレンドは雑誌「小悪魔アゲハ」のモデル「アゲ嬢」に代表される「盛り」に重きを置いたメイクでした。
ゴリゴリのつけまつげ下まつ毛は書き足して。キラキラしたながーいネイルでキャバクラ嬢のようなドレスをまとった「アゲ嬢」たちが台頭。
これまでの読者モデルブームを総括するかのように、非常に大きなムーブメントになりました。
また、この時代にはスマートフォンが普及してきたため、人々の興味や関心は少しづつ分散されはじめ、何か一つ、何か一人のトレンドが大きくはやることが少なくなり始めました。
その代わりにブログやSNSといった新しい舞台から、トレンドを作り出し、発信する人たちが現れ始めたのもこの頃です。
コスメは「ADDICTION」「THREE」など、メーカー名を隠したアウトオブブランドに人気が集まり、エフォートレスなスタイルに注目が集まっていました。
2010年代後半のメイク
2010年代も後半となると、SNSなどのソーシャルサービスやYOUTUBEなどの動画サイトが圧倒的なメディアとしての強さを発揮していきます。
メイクやスキンケア動画をあげて、多くの視聴回数を稼ぎ、トップオピニオンリーダーとして君臨するのはインフルエンサーやユーチューバーなどの個人のクリエイターたち。
大手企業が次々にコラボやイベント登壇のオファーをするのも、モデルや読者モデルから、インフルエンサーやユーチューバーに変わっていきました。
彼女たちはフォロワーやファンから絶大な信頼を寄せられ、プロデュースするコスメやグッズが大ヒットを飛ばすようになっていきます。
こうした背景から、化粧品メーカーたちもSNSや動画の世界で、より「一個人」としての人気の獲得にいそしみ、膨大な「個」とのつながりに戦略の舵を切っています。
メイクは、この頃になると韓国アイドルの台頭にあわせ、並行眉やあざやかな色のリップなどがトレンドとなり、
ネットやSNSでより多くの情報をもとめる人たちと、それを提供せんとする企業・インフルエンサーたちが入り乱れて活況を呈しています。
そして2020年代
2020年代前半の現在でも、インフルエンサーやユーチューバーの台頭と韓国・中国メイクをトレンドとする大まかな動きは引き継がれています。
しかし、大きく変わってきたのが「メンズメイク」の世界です。
ジェンダーレス、LGBTQなどの言葉の普及とともに、男性にも美を追求することを良しとする流れが見え始め、各社こぞってメンズケア商品を
投入している2020年代。
今後は美しさは女性だけのものではなく、男性をはじめ多様な性のすべての人たちをターゲットにしたものになるといえるでしょう。
これまで以上に、多様な美を多様な形で提供できるよう、化粧品メーカーは考えを巡らせ、戦い抜かなくてはならない時代になりました。
コロナ禍の流行も収束をみせはじめ、マスクを外したその時に向けた戦略が立て始められた今、美容やコスメは、これまで以上に面白い舞台になること必至だと感じています。
コスメ好き、美容好きにとっても、とてもわくわくする時代のはじまり。この時期に、こうしてブログで読者さんと一緒に振り返ったり、思いを巡らせることができるのは、とても幸せなことだと感じています。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
懐かしさや、思い出。
人それぞれに思い出すものがあると思います。
私もこうして振り返ってみて、改めて時代の大きな流れとそのうねりの中でのトレンドに感服しました。
この先の10年、20年がさらにコスメや美容にとって大きな飛躍の年になるよう、これからも興味を持って追い続けていきたいと思います。