こんにちは、美容ブロガー&ライターの頼 凜々華です。
今日のテーマは「親知らず(水平埋伏智歯)」の抜歯についてです。
昨年の夏に、左右下あごの水平埋伏智歯を抜歯してきたので、忘れないうちに記録したいと思います。
右側はかなり珍しいタイプの水平埋伏智歯だったので、情報を探している方のお役に立てたらうれしいです。
すごく怖くて心配だった抜歯。事前の準備、抜歯当日、抜歯後の3回に分けて体験談をつづります。
親知らず抜歯に白羽の矢が立つ
頼 凜々華(30代)。
はじまりは長年放置していた「下あごの前歯」のガタツキが年々目立つようになってきたと感じ、歯科矯正しようと思い立ったところからでした。
行きつけの歯科医院で歯科矯正の相談をしたところ、専門の矯正医を紹介されました。
早速矯正医にレントゲン写真を持参して相談にいったところ、ベテランのおじいさん先生に
「あー、こりゃすごいわ。抜かないとだめだね」
とバッサリ言われたのが、両あごの下の親知らず。
何がそんなにすごいのか?
恐る恐る先生に聞いてみました。
親知らずの正体は「水平埋伏智歯」!しかも右側は・・!
ベテラン矯正歯科医をして「これはすごい」と言わしめた親知らず。
左側の親知らずは「水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)」といって、親知らずが横向きに、しかもほとんど歯茎に埋まって生えてきてしまっているパターン。
ちょうど、親知らずが隣の歯にヘッドアタックしているかのように、横に倒れて生えている状態です。
右側の親知らずは、左側と同じく「水平埋伏智歯」ですが、さらにたちが悪く、親知らずの頭が、舌ベロのほうに向かって約90度傾いて倒れているパターンでした。
この右側のパターンは非常に珍しいらしく、矯正歯科の先生も、行きつけの歯科の先生もこれまでに遭遇したことのないタイプの倒れ方をした親知らずだそうです。
行きつけの歯科に戻って相談すると、うちでは抜けないので大学病院を紹介すると言われ、近くの大学病院宛ての紹介状をいただきました。
翌週、予約を取って大学病院の口腔外科に向かいました。
大学病院の口腔外科で残酷な現実を突きつけられる
大学病院の口腔外科。
口腔がんや交通事故など、あご周りに関する重大な疾患を抱えた人が通うイメージでしたが、あたりを見回していると、どうやら親知らず抜歯の人も相当数いるようでした。
それだけ症例数が多く、慣れているなら安心!と思っていましたが、いざ自分の順番がきて話を聞いてみると、その安心感は極度の不安に塗り替えられてしまいました。
大学病院の口腔外科で担当になったのは、若い女性の医師。
行きつけの歯科から借りたレントゲン写真を見るや否や、
女医先生「これは、とても難しい抜歯なので、木曜日のK先生の枠で取りますね。仕事休めますか?」
えっ・・・!?
固まっている私を横目に、先生は続けます。
女医先生「左側はよくある水平埋伏智歯なんですが、右側は、たぶん相当難しいので、難しい抜歯を多数経験しているK先生にお願いするのがいいと思いました。」
私「そ・・・そんなに難しい症例なんですか!?」
女医先生「それから、口の中の神経の関係で、仮に無事に抜歯ができたとしても、左側は0.05%のくらいの確率であごの神経にしびれが残る可能性が、右側は0.1%くらいの確率で、舌ベロの神経が麻痺して味覚障害が発生する可能性があります。同意書をよく読んでご署名してください。」
えっ!0.1%の確率で味覚障害!?
1000人に一人?結構多くない!?
女医先生は、統計に基づく値なので、今回の場合はどう、ということは言えないのですが、とにかく歯の奥深く、神経付近にある歯の抜歯なので、リスクはあることを承知の上で抜歯に臨んでもらいたいとのことでした。
私の場合、もしかしたら普通の水平埋伏智歯の抜歯より難しいから、実はさらにリスクの確率が上がってくるのかもしれない・・。
そんなことをもやもや考えているうちに診察時間が終わりかけていました。私はここで、あるお願いをしなければと気づきました。
「静脈内鎮静法(静脈麻酔)」で寝ている間に終わる・・?と思いきや
話を聞いた途端、気が動転してしまった私ですが、はたと気づいて女医先生にお願いごとをしました。
それは、「静脈麻酔(静脈内鎮静法)」のお願いです。
抜歯の際に、点滴で意識が遠のく麻酔をかけてもらい、眠っている間に抜歯が完了するため、手術の不安や緊張を緩和することのできる方法。
最近はこの「静脈麻酔(静脈内鎮静法)」をウリにした親知らず抜歯を掲げる歯科医院も多く、パニック障害持ちの方や、歯科恐怖症、嘔吐恐怖症の人などでも抜歯をしやすくなっている、という記事を、ネットなどで見かけて、依頼することに決めました。
パニック障害の既往歴がある、という話をして(事実です)、静脈内鎮静法の枠で予約を押さえてもらった私。
不安は拭いきれないながらも、同意書にサインをして、その日は帰宅しました。
しかし・・・
麻酔か名医か?親知らず抜歯・決断のとき
後日、診察を受けた大学病院の口腔外科から電話がかかってきました、
受付さん「すみません、実は先日予約枠を押さえていただいた親知らず抜歯なんですが、K先生の枠は、静脈内鎮静法が使えないんです。」
私「え、どういうことですか?」
受付さん「Kはベテランの医師なので、難易度の高い手術を日に何件もこなしています。静脈内鎮静法は、事前に麻酔科医が麻酔を打ったり、しばらく安置する時間があったりと時間がかかるので、Kは対応していないんです。そこを確認しないで予約をとってしまいました。申し訳ございません。」
つまり、
- 静脈内鎮静法で抜歯したいなら、K先生を指名できない
- K先生に抜いてもらいたいなら通常の部分麻酔で抜くしかない
ということが判明しました。
診察時の女医先生が「K先生に抜いてもらいましょう」と即答でいうほどの難症例。
そして即座に指名されるほどのゴッドハンドK先生。
医師指名を取るか?静脈内鎮静法を取るか?
本当に抜歯するかを含めて悩みに悩んだ私は、再度女医先生に相談しようと思い、再度診察を予約しました。
もしかしてクレーマー扱いされた?大御所登場に苦笑い
再度女医先生に相談すべく、翌週に予約を取りました。
そして診察室に呼ばれて入ると、そこには50代くらいの男性の先生。
聞けば、ここで責任者を務めていらっしゃる方なのだとか。(教務主任と言っていた気が。)
もしかしたら、前の先生の診察に不満があると思われたのか、ちょっと偉い人が出てきてしまった模様・・。
すみません、クレーマーではありません。ただ不安なだけなのです・・。と思いつつ、
再度、私の親知らずについて説明をしていただき、麻酔を取るか、K先生を取るかについて
相談しました。
すると、
教務主任先生「左側は正直、よくあるタイプなので、我々でも大丈夫です。静脈内鎮静法で抜けます。ただし、右側は本当に難しい。これは見たことがない。K先生にお願いするか、静脈内鎮静法で不安を和らげてほかの先生にお願いするか、決断していただかなくてはなりませんね。」
と、悩み感ありつつ答えてくださいました。
ここで私が、
「先生がもし私の立場だったら、どうされますか?」
と尋ねたところ、
教務主任先生「うーん、左は静脈内鎮静法でサクッと抜いて、右は・・・Kに抜いてもらうかなあ・・・。」
という回答が返ってきました。
実はこの教務主任先生も、下あごに抜いていない難しい親知らずが埋まっているらしく、時々痛むのだそう。
しかし50代ともなると、抜歯は色々とリスクが高く、痛みが出ると薬を飲んで散らしているとのこと。
教務主任先生「あなたはまだ若くてあごの骨と親知らずが癒着していない。私のようにおじさんになると(あごの骨と親知らずが癒着して)抜きたくても抜けなくなる。今が一番若いときだから、抜くなら決断を。」
と言われ、悩みに悩んだ末、
- 左側は静脈内鎮静法で、一般の先生に。
- 右側は静脈内鎮静法なしで、ゴッドハンドK先生に。
それぞれ3週間おきに抜いてもらうことを決意しました。
そもそも親知らずを抜かないという選択肢はあったのか?
この頃になると私は、
「もうそもそも親知らず抜かなくていいんじゃない?」
という気持ちに駆られるようになりました。
歯科矯正も面倒だしお金もかかるし、
そもそも今、親知らずになんの異常もないし(痛みや腫れなど)、
全部諦めたら、こんなに怖い思い(抜歯)をすることもないよな・・・。
と思ったりしていました。
しかし、教務主任先生に、年齢を重ねるとあごの骨が癒着して抜けなくなる話を聞いたり、
かかりつけの歯科医に、親知らずの頭だけちょこっと表面に出ているタイプの歯なので、今は大丈夫でも、先々その頭から歯茎内に菌が入って腫れたり、虫歯になる可能性があることを聞いたりしているうちに、
「たとえ歯科矯正しないことになっても、若くて体力もある今のうちに親知らずを抜いておこう」
という気持ちになりました。
今が人生で一番若いとき。
抜くなら今すぐ、一日でも早く!色々と話を聞くうちに、私の考えも固まってきました。
中編につづく
ここまで読んでいただきありがとうございました。
まずは私が親知らずを意識し、親知らずを抜くことを決断するまでを書いてみました。
特殊なタイプの親知らずだったため、ぐるぐると悩む時間が多く、いろいろなサイトなども読み漁って、決断をするまでには相当な時間がかかりました。
次回は親知らず抜歯当日について、準備したものや実際の様子について詳しくまとめていきたいと思います。
親知らず抜歯・中編・後編はこちら!
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